国は「ゆとりの教育、地域に子どもを帰す」という目的で、平成14年度から学校の週5日制を開始し、一年の45%が休みになりました。
心身に障がいを持った子どもたちの多くは、スクールバスなどで学区外の養護学校に通ったり、保護者の送迎などで地域の学校へ通っています。平成13年9月に仙台市内の知的養護学校2校の全校児童生徒を対象に独自に行ったアンケート調査から、約70%の子供たちが「近所に学校の友達がいない」「一人での外出が難しく、誰かのサポートが常時必要である」「障がいを持っている子どもだけで利用できる場所が近くにない」などの理由から、放課後や休暇中、家で一人または家族と過ごしているという結果が出ました。1年の45%を障がいを持った子どもたちの70%が、家で一人または家族と過ごしているという現実は、本人にとっても家族にとっても憂慮すべきことです。
障がいを持っていなくても、放課後や休暇中に友達や家族以外の人と、遊びや外出などいろいろな楽しい経験を積み重ねることで心の開放を促し、思いやりや優しさなどの心の豊かさ、人間関係の構築、社会のルールなどを学ぶことができると考えます。将来にわたって心身のバランスを保つ上でも大切な「余暇の過ごし方」を見つけることは、子どもの健全育成の観点からも非常に重要な部分を担っていると考えます。また、家族とりわけ常時、子どもの介護に関わっている家族は、一時でも自分の時間を持つことで心身のリフレッシュを図ることができ、新たな気持ちで再び子どもに向き合うことができると考えます。
私たちは、障がいを持っていても同年代の友達や家族以外の人と、のびのびと安心して楽しく放課後や休暇を過ごしたい、過ごさせたいという本人や家族の願いを叶えるために、平成14年5月に当団体を設立し障がい児の休暇ケア事業を行ってきました。平成16年5月に仙台市太白区西中田の民家を拠点に放課後ケア事業も開始しました。また、放課後ケアの必要性や障がいについての理解者を増やしていくことで、本人や家族がより生きやすい社会を作ることが出来るという信念の下、地域ボランティアの人々などとの交流や啓蒙・啓発活動も展開しています。今後、更に幅広い視野に立った「障がい児者の余暇支援とその家族の支援活動」を、地域で展開していくためにも法人格を取得することが望ましいと考えました。
我々アフタースクールぱるけは、障がい児者に対しての豊かな余暇活動支援およびその家族支援に関する事業を行い、障がいをもっていても地域の一員として安心して共存・共生することができる社会構築に寄与することを目的に活動を進めていきます。
平成17年2月1日
特定非営利活動法人 アフタースクールぱるけ
理事長 谷津 尚美